DIC川村記念美術館に行った
DIC川村記念美術館が閉館するというニュースを聞いてもう一度行っておかねばと思い行ってきた。4,5年前に1度訪れたことがあったのだけどその時は1月だったこともありとてつもなく寒かった記憶がある。あとはロスコルームがとても印象に残っている。どでかい赤の壁画に囲まれて異様な雰囲気だった記憶。ぼーっと眺めていると吸い込まれそうになった。
ニュースを受けて自分と同じように閉館前にもう一度行かねばと思っている人はたくさんいるようで東京駅から出ているDIC川村記念美術館直行便のバスは連日大行列となっている。9:55発のバスがそれなのだけど、土曜日ということもあり30分前にはすでに20人以上並んでいた。自分は乗車出来ない可能性も考慮して1時間前にバス停に行ったのだけど流石に早すぎて誰もいなかったが...。
美術館は千葉県佐倉市にある。直通の送迎バスで行っても1時間以上かかる。最寄りの佐倉駅からでさえバスで30分はかかる。とにかく東京から気軽に行けるかと言われると中々厳しい立地だ。以前訪れた時は送迎バスに自分達しか乗っていない状態で「こんなに客がいないのに美術館は運営していけるのかね...」と思ったものだ(結果的にはやはりダメだった)。
それでも自分は前回行った際に周辺環境含めてとても良い美術館だと思っていたから眠い目を擦りながらもなんとか美術館に向かった。行きのバスから見える風景は久しぶりに田舎を感じさせる気持ちの良い景色だった。
送迎バスを待っている時も大行列だったが美術館に到着してもチケット購入のための行列が待っている。とはいえ10分ちょいではあるのだがチケット販売所が日陰のない外なので真昼の直射日光を思い切り浴びる。とてつもなく暑い。ちょっと面白かったのはスタッフの人がその行列をカメラで撮影していたことだ。あんな大行列、美術館としても初めてに近い珍しいものなのだろう。
美術館に到着。ハウルの動く城みたいな巨大オブジェが出迎えてくれる。
館内は入り口部分のみ写真撮影可能でそれ以外は全て禁止。撮影できたのは壁のステンドグラスと天井だけ。
作品は1階/2階にそれぞれ展示してある。モネ・ピカソ・ブラック・シャガール等のお馴染みの西洋絵画から始まり、創業者のお気に入りのレンブラントの絵画、大日本インキとの親和性も兼ねて収集された色鮮やかな現代美術品の数々、そしてかの有名なロスコルームが1階で鑑賞できる。2階にはその時々で変わる企画展などがやっていたりする。今はステラの作品が沢山あった。
美術館周辺は広い公園に囲まれており、そこを散策するだけでも中々心地よい。前回来た時はあまりの寒さに負けてそれどころではなかったためちゃんと楽しめなかった。今回はバスに乗る前にお弁当を購入しておいたので公園の芝生の上でまったり昼食を摂れた。
個人的に感動したのはタマムシに出会えたこと。子供の頃に図鑑で知り、近所の森などを探し回った記憶がある。今では準絶滅危惧種で珍しい虫である。
帰りは行きとは違い直通バスではなく佐倉駅行きのバスで帰った。直通バスに乗った方が早いのだけど帰りは15:29発東京駅行きのバスしかない。14:00頃にはもう十分という感じになったためダラダラ待っているより電車で帰ろうとなった。
駅までのバスは懐かしのマイクロバスだった(行きはどでかい観光バス)。帰りのバスは乗れない乗客の人も結構いたので発車の15分前にはバス停前に並んでおいた方が良いと思う。
そんな感じで川村記念美術館をあとにしたわけだけど総じて満足感は高かった。単純に美術品を見るだけなら上野の西洋美術館なり国立新美術館なりに行けばいいと思うけど、周辺にコンビニ一つない都会から隔離された自然の中という環境含めて手軽に楽しめるのは川村記念美術館のいいところだと思う。
ちなみに自家用車があるなら車で行ったほうが絶対楽で良いと思うので車で行くべき。現状送迎バスは補助席まで全部使っても溢れる人がいる、みたいな状況なので。来年の1月まではまだ少し時間があると思うので行ったことがない人は一度行ってみてほしい。
あとそういえば川村記念美術館のコレクション集を買った。美術館が保有している全ての作品が写真と解説付きで載っている。2,500円くらい。鑑賞した絵やオブジェについて帰ってから感想戦が出来たりするのでおすすめ。
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